この記事は、採用に関するアドベントカレンダー「オープンな採用〜実はうちって〇〇なんです~ Advent Calendar 2021」の20日目の記事です。
こんにちは。エンジニア採用チームの西馬です。 普段は技術戦略グループという部門でエンジニア採用などを担当しています。
はじめに
日本経済新聞社にエンジニアがいるってご存知でしょうか?伝統ある日本最大の経済メディアですが、実はエンジニアとデザイナー合わせて80人近くが在籍しています。中心は20~30代で、デジタルサービスの開発に携わっています。 日経ではニュースサイト「NIKKEI NET」を1996年に立ち上げた頃から小規模な開発内製化を始めました。2010年に創刊した「日経電子版」が大きなターニングポイントになり、その後電子版の会員数とともにデジタル事業が拡大。エンジニアの仕事も増える一方で、最近は積極的にエンジニアをキャリア採用しています。
キャリア採用では応募の大半がダイレクトリクルーティングサービスによるもので、我々からのスカウトメッセージを見て初めて「(古そうな)日経に、エンジニア組織があるんだ!」と驚かれる場合が多いです。中には日経のエンジニアたちの登壇を見てすでにご存じだったという方もいらっしゃいますが、広報不足を痛感しています。 というわけで、今回は日経のエンジニアの取り組みや活動を知ってもらいたいと思います。
組織
エンジニアの多くは、日経電子版を担当する「デジタル編成ユニット」、日経テレコンや日経ValueSearchなどBtoBプロダクトを担当する「情報サービスユニット」、または電子版などを支える日経IDやデータ基盤を扱う「DX推進室」に所属しています。 ここ数年の上記部門でのエンジニアの採用比率は、新卒:キャリア採用=約1:3です。キャリア採用のエンジニアは、メガベンチャー、ITベンチャー、SIer、ゲームなど業種も規模も様々な会社からの転職です。 仕事場では、社員とフリーランスなど外部のエンジニアの人達が一緒になって開発チームを作り、課題に取り組んでいます。電子版では、記事を送り出す編集部門の記者・編集者とエンジニアが一緒になって日々改善を続けています。
ほかに新聞社内でエンジニアがいる組織には、社内システム全般を取り扱う情報技術本部、チャートやグラフィックスによるデータ報道を担う編集部門内の編集データビジュアルセンター、「NIKKEI Asia」はじめ英文サービスを運営するグローバル事業部門などがあります。
開発にまつわる環境
社内のいたるところでエンジニアが活動するようになり、開発の環境も整ってきました。
コミュニケーション、ドキュメントツール
デジタル部門では、かなり早い段階からSlackやQiitaを導入しました。Slackで会話し、GitHubでチーム開発、レビューする内製開発が進み、DevOpsを実践しています。また、チームによっては、朝会や昼会などこまめにコミュニケーションを取るようにしています。最近はNotionの利用が始まり、主に開発で使うドキュメントの集約が進んでいます。
スクラム開発
スクラム開発を取り入れ、さまざまなチームがスプリントを回しており、デプロイの頻度が多く、自動化されたCIで、何かしらほぼ毎日リリースされています。利用するツールはチームによって違うこともありますが、スクラムマスターによる振り返りとチェックポイントをメンバー皆で共有して、チームが一体となって開発を進めています。
開発端末や環境
開発者には最高スペックの MacBook Proが貸与されます。リモートワークが可能なのでエンジニアの多くは自宅で業務を行っていますが、デジタル部門のオフィスはフリーアドレスで、4Kディスプレイや昇降デスク、オンライン会議用の防音個室などが設置されています。
研修制度、教育支援
外部セミナーへの参加やその勤務時間認定、会社費用負担での技術書籍購入などの自己研鑽の機会もあります。コロナ前には、海外出張での技術カンファレンスへの参加をはじめメディア業界の視察、短期海外派遣なども頻繁でした。今後状況が良くなった時にはぜひ復活させたいと思っています。 最近は全社員向けにUdemy Businessが導入され、学びのコンテンツに容易にアクセスできるようになりました。
サービス基盤の進化と信頼性の向上
システム面ではクラウドの導入も進み、AWSやGCPを活用し、Fastlyや imgIXなどのCDNを組み込んだシステム構成が主流です。デジタル部門ではSREチームを立ち上げ、ポストモーテムを中心にサービスの安定性を向上させる活動を行っています。サービスプロダクトのセキュリティの向上はセキュリティチームが行い、セキュリティ監視はグループ会社のセキュリティアナリストチームが運営するSOCが担当しています。
データの民主化とデータ分析基盤
電子版などがどう読まれているか、アクセスデータの分析も活発です。閲覧データを収集するリアルタイムデータ収集基盤「Atlas」を自前で開発し、編集、サービス開発、マーケティングなど各分野でBIツールを使ってリアルタイムでユーザーの動向を把握、次にどんな手を打つべきかの判断材料として使っています。
https://hack.nikkei.com/jobs/Data_Driven/
研究開発の組織も
長期的な視点では、デジタル部門にある「日経イノベーション・ラボ」という組織が先端テクノロジーを研究開発し、イノベーションで業界をリードすることを目指しています。それが具体的なサービスとして実を結ぶケースも増えてきました。
ユーザーインタビューへの参加
電子版では定期的にユーザーインタビューを行っていますが、多くのエンジニアが参加しています。アンテナを広げ、ユーザーへの理解を深めることで、サービス開発に広範囲に関わることができます。
技術顧問と海外での情報収集
外部の有識者の方に技術顧問になっていただき、アドバイスを受けることもあります。シリコンバレーには情報収集を目的にデジタル部門の駐在員を派遣しており、IT業界の先端の動きを開発現場やビジネス部門と共有しています。子会社である英Financial Times 社とも定期的に技術面の情報を交換しています。
社内勉強会や社外登壇の取り組み
開発プレゼン会
デジタル部門内で開発内容・取り組みを共有する「開発プレゼン会」を毎月行っています。エンジニアを中心に80人程度が参加します。
社内テックカンファレンス
2021年の4月には「Engine Room Tech Inside 2021」と題して社内テックカンファレンスを2日間開催しました。「オープンに議論して実装し、組織のサイロを打ち破れ」というテーマで、16チームがオンラインでプレゼンを行いました。今後は社外にも公表するテックカンファレンスの開催も検討しています。

外部登壇
同時に、エンジニアには外部の技術カンファレンスでの登壇も推奨しています。開発の取り組みや知見をまとめて言葉にすることで、エンジニア自身の成長や技術コミュニティへの貢献につながります。聴衆の方々からのフィードバックも励みになります。日経のエンジニアの取り組みを知ってもらうことで、「日経で働きたいな」と思っていただくきっかけになればそれもうれしいことです。登壇スライドの一覧はこちらです。
https://hack.nikkei.com/slides/
エンジニア向けサイト
Hack the Nikkeiというエンジニア向けサイトでは、定期的に技術ブログを掲載しており、日頃の取り組みを公開しています。12月にはアドベントカレンダーも掲載しているので是非ご覧ください。
TGIF
デジタル部門では「TGIF(Thank God It's Friday)」というイベントを月1回程度開催しています。プロジェクトの話や直近入社したメンバーの紹介、幹部や外部識者の登壇などコンテンツも多様です。2015年頃に西海岸に短期派遣で行った社員が、GoogleなどIT企業のTGIFを見て持ち込みました。コロナ前は金曜夕に大きめの会議室に集まって、ピザとドリンクを片手にゆる~く開く会でしたが、コロナ禍でいまは全面リモート開催になっています。新卒入社のメンバーが早速幹事として活躍しています。
締め
日経のエンジニアの仕事の様子や技術的な環境を急ぎ足でご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。この記事をきっかけに日経のエンジニア組織に興味を持っていただければ幸いです。 また、日経のデジタル人材採用の変遷については、以前HERPさんにインタビューしていただいた記事がありますので、こちらもご覧ください。
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